GL.iNetのVPNトラベルルータGL-MT1300 (Beryl)は、発売当時のファームウェアがちょっと難ありで印象が良くなかったのですが、その後バージョンが上がると安定してきました。最近ふらりとダウンロードサイト https://dl.gl-inet.com/ を覗いてみたところ、Version 4.1.0 beta 1というのが出ていることに気づきました。
先日買った Slate AX のファームウェアが Version 4系で、OpenWrt 21.02ベースだったので、これはもしかして純正ファームウェアのままで Passpoint が使えるようになったのでは?
というわけで、早速アップグレードしてみます。
Version 4.1.0 beta 1にアップグレード
ダウンロードしてみると、ファイル名が openwrt-22.03.1-ath79-generic-glinet_gl-ar750-squashfs-sysupgrade.bin となっていました。なんと21.02でも21.03でもなく、22.03ベースらしい (゚∀゚)
GL.iNet版のGUIの方から、System>Upgrade>System Upgrade に入ってファームウェアのファイルをアップロードして、アップグレード開始!……あれ、起きてこない。早速、文鎮に_(゚。3」∠)_
GL.iNetのルータで文鎮はよくあることです。気を取り直してUBootからファームウェアを焼き直してあげて、めでたく復活!
LuCIの方からStatusを覗いてみると、ちゃんとOpenWrt 22.03ベースであることがわかりました。
WireGuardを試してみる
ファームウェアを焼くときに、設定を維持するように指示していても、後から入れたパッケージが消えてしまいます。OpenWrtはこの問題があるからリモート利用がつらい。今回も、以前に設定していたWireGuardなどのパッケージが抜けて、動かなくなっていました。
ちなみに、WireGuardの設定方法はこちらの記事と同じでいけます。
LuCIの System>Software を見ると、kmod-wireguard はあるのですが、Slate AXにあったような kmod-wireguard-backport は見当たりませんでした。うーん、ということは、19.07から21.02に変わった時にガクッと速度低下したままのカーネルモジュールなんですかね?
仕方がないので、kmod-wireguard, wireguard-tooks, luci-app-wireguard をインストールして、作業を進めてみます。ほいっ!
自宅のVDSL (100Mbps)で実測90Mbps以上出ている時間帯でしたが、ルータの方がサチっている予感。GL.iNetのカタログ値は Max 91Mbps なので、ちょっと微妙な感じ?
比較のために、GL-AXT1800 (Slate AX) の測定結果はこちら。
圧倒的な性能差を見せつけられてしまいました_('、3」∠)_
でも、Berylの方がちっちゃいしなぁ……
Passpointを試してみる
前に入れた Passpoint の設定が /etc/config/wireless に残っていましたが、アップグレードしたときに wpad が縮小版の wpad-basic-wolfssl に置き換わってしまい、電波が出ていませんでした。
フル版の wpad-openssl に入れ替えたところ、すんなりと Passpoint (Hotspot 2.0)が有効に。
設定方法はこちらと同じです。
特に変わったところもないので、Passpointの動作確認ができたというだけで、追記することはありません。
今Berylを選ぶ理由は?
いくつか新モデルが出ている現在、わざわざBerylを選ぶ強い理由はありません (身も蓋もない)。
強いて言えば、ちっちゃくて安い。
似た外観で GL-SFT1200 (Opal) というモデルがありますが、こちらは性能が低い廉価版だとメーカーが認めています。あと、Opalには中国・矽昌通信/SiflowerのSF19A28というプロセッサが積まれていて、OpenWrtのサポート状況に少し不安があります。GL.iNetのダウンロードサイトに、Version 4系のファームウェアはまだ(?)掲載されていません。
Berylより小さい GL-AR750S-Ext (Slate) はそのサイズこそ魅力的ですが、今となっては速度的に苦しいかなと。
最近出た Wi-Fi 6 対応の GL-AXT1800 (Slate AX) は、前の記事に書いたとおり、結構大きくて熱いです。ただし、圧倒的な性能差があるので、用途次第ですね、
おしまい