hgot07 Hotspot Blog

主に無線LANや認証連携などの技術についてまとめるブログです。ネコは見る専。

GL.iNet Beryl AX (GL-MT3000)は様子見が吉?

[2023/11/20追記] OpenWrt 23.05で対応したので、Passpointも使えるようになりました。ちょっとダメな子だったのが化けるかも。

 

被害者があまり出ないように、最速で報告しておきます。

[2023/2/21] 下方に追記あります。

結論から述べると、ちょっと待つのが吉 だろうと思います。

Wi-FI 6対応のOpenWrt機として、GL.iNet Slate AX (GL-ATX1800)というのがあって、これが大変快適でした。サイズ以外は……

そう、サイズが問題なのです!

hgot07.hatenablog.com

そんななかで登場した、少し小さめのWi-Fi 6機が、Beryl AX (GL-MT3000)です。サイズは初代Berylと同じですが、最初から OpenWrt 21.02 が入ってくるので、あまり面倒なく Passpoint も動く……はずでした。

 

これがなんと、WPA2-EAP (Enterprise)を設定すると、そのSSIDが吹かれません_(゚。3」∠)_ (PSKならいけます)

不思議なことに、初期状態では wpad も hostapd も入っていなかったので、LuCI からパッケージを入れてみましたが、全然だめ。もしかすると、MediaTek の新しいチップに対応したドライバーが、まだ青々としているのかもしれません。

LuCIの Network>Wireless のメニューで、チップ名ではなく Generic と表示されているところも不審です。

 

というわけで、GL.iNet に凸^Hフィードバックしながら、待ちましょう。

 

ちなみに、WireGuardはなかなかイケてます。初代Berylとは桁違いに。

研究室のGbE上で、LinuxをWireGuard サーバ兼NAPTゲートウェイにしてみたのがこちら。Slate AXの550Mbpsには敵いませんが、多くの用途で満足できそうです。

Beryl AXのWireGuard

Beryl AXのWireGuard

[2023/2/21追記]
GL.iNetのサポートともやりとりして、色々と分かってきました。

  • Beryl AXはMediaTekプロプライエタリな無線ドライバを使っていて、この制約が大きい
  • 標準のhostapdやwpa_supplicantが使われていないwpadやhostapdのパッケージすらインストールされていない。よって、Passpointで遊ぶのは絶望的
  • LuCIはまだ互換性が低く、Wirelessメニューの表示がおかしいし、設定を入れても正しく反映されない。
  • ESSIDは2個までしか対応していないっぽい。3個目以上は異なるESSIDに同じBSSIDが付いてしまう。
  • WPA2-EAPの設定は、標準の /etc/config/wireless の書き方ではない。EAPを設定できるのは一つ目のESSIDだけらしい。
  • /etc/config/wireless を書き換えて、wifi コマンドを打っても、設定がうまく反映できない。reload_config を打てばよいらしいが、なぜか "uci: Entry not found" が出る。
  • WPA2-EAPで端末を接続した途端に有線のSSH接続の調子が悪くなるという謎挙動。ACアダプタを変えたらあっさり症状が消えたが、電力不足というわけでもなさそう。

いやはや_('、3」∠)_ 小さなWi-Fi 6機として期待の星だったのですが……

 

おしまい