結論から書くと、Passpoint の仕組みでは、できません!
以前は Cisco OpenRoaming アプリでなんとか使うことができたのですが、2026年8月時点で再度試してみたところ、使えなくなっていました。うーん、この Google ……
Passpoint の設定ができるアプリでもあればよいのですが、残念ながら無さそうです。Android 版の geteduroam でできそうだと思ったのですが、設定がうまく入らないようです。
仕方がないので、SSID を決め打ちにして、WPA2 Enterprise の設定で接続することにします。
Passpointが使えないと何が困るのか
OpenRoaming で使われる Passpoint は、最近の多くの端末でサポートされるようになりましたが、安定しない機器もあるようです。
Passpoint とは何なのか、極限まで端折って書くと、SSID が違っても自動接続できる仕組みです。OpenRoaming に対応した自治体Wi-Fiでは、自治体ごとにSSIDが違いますが、どこかで作成した Passpoint プロファイルを端末に仕込んでおけばどこでも接続できます。
Passpoint が使えない場合に何か困るかというと、要するに、SSID ごとに接続設定が必要になります。ID・パスワードが共通でも、これでは激しく面倒くさいですね。
ONCファイルを使おう!
TOKYO Free Wi-Fi などでは、OpenRoaming の設定がうまくできない端末のために、WPA2 Enterprise の設定方法が案内されています。ウェブでID・パスワードなどの設定情報を見ることができるので、頑張って手動設定していくこともできます。
ChromeOS の Wi-Fi 設定を使ってチマチマと設定を入れていく手もあるのですが、行く先々で SSID からすべての設定を入れていくのは面倒です。ここでは、ONCファイルを使って、ちょっとだけ楽をする方法を紹介します。
ONC とは、Open Network Configuration の略です。(残念ながら、このファイル形式が Passpoint に非対応なのです)
ONCファイルを一度書いてしまえば、あとは SSID の部分だけ書き換えて、Chromeブラウザの chrome://network にあるインポート機能で読み込ませるだけで、設定が量産できます :-)
テキストエディタを使って、wifi-config.onc みたいな名前で、ONCファイルを書きます。中身は JSON 形式です。
例えば、TOKYO Free Wi-Fi 用のファイルは、以下のようになります。
{
"Type": "UnencryptedConfiguration",
"NetworkConfigurations": [
{
"GUID": "5DBEC188-9339-11F1-A89F-CA787DD52ECC",
"Name": "cityroam",
"Remove": false,
"Type": "WiFi",
"WiFi": {
"AutoConnect": true,
"EAP": {
"AnonymousIdentity": "anonymous@tokyo.wi2.cityroam.jp",
"Identity": "xxxx@tokyo.wi2.cityroam.jp",
"Password": "xxxx",
"Outer": "EAP-TTLS",
"Inner": "MSCHAPv2",
"SaveCredentials": true,
"UseSystemCAs": true,
"SubjectAlternativeNameMatch": [
{
"Type": "DNS",
"Value": "eap.wi2.ne.jp"
}
]
},
"HiddenSSID": false,
"SSID": "cityroam",
"Security": "WPA-EAP"
}
}
]
}
太字の部分を、ウェブで確認した設定情報で置き換えます。
GUIDは、適当な値を入れておけばよいです。
Name と SSID の部分は、訪問先の SSID に合わせます。
TOKYO Free Wi-Fi では、認証方式として EAP-TTLS (MSCHAPv2) が使われています。事業者によって違うことがあるので、適宜変更します。
なお、EAP-TLS の場合は、このテンプレートが使えません。
サーバ認証にプライベートCAが使われている場合も、このテンプレートでは対応できません。
ONCファイルのインポート
既に書いてしまいましたが……、
Chromeブラウザで chrome://network を開いて、下の方にある ONC ファイルのインポート機能でファイルを読み込ませれば、設定が一発で入ります。
偽基地局にご注意
上のテンプレートには、偽基地局に誘導されないための、サーバ認証の機能も書かれています。念のため、サーバ認証が正しく機能するかどうかを最初に確認しておくと安心です。
サーバ認証が正しく動作しているかどうかは、わざと誤ったドメイン名を入れてみることで確認できます。誤ったドメイン名では、認証に失敗して、接続できないはずです。設定の変更は、毎回、既存の設定を消してからインポートする方が、確実なようです。
おしまい
p.s. ONCファイルの仕様は、こちら ↓ にあります。




















