hgot07 Hotspot Blog

主に無線LANや認証連携などの技術についてまとめるブログです。ネコは見る専。

IPoE接続とIPv4 over IPv6で自宅VDSL回線のIPv4接続を高速化してみたら10倍速くなった件

自宅のVDSL回線を、IPv4オンリーのPPPoE接続から、IPv6/IPoE接続とIPv4 over IPv6 (MAP-E)に変更してみたら、10倍ぐらい速くなったよという体験談です。プロバイダ変更無し、契約の追加費用無しで、ルータを買い替えただけ。これだけで完全に理解した人は、読む必要がありません。

[2020/4/27追記]
早朝など、時間帯によっては従来のPPPoE方式の方が速度が出ることもあります。大規模な集合住宅で、建物内で混雑している場合は、IPoEに切り替えても速度改善されないこともあるでしょう。必ずしも効果があるわけではないことにご注意ください。なお、PPTP方式のVPNは使えなくなります (セキュリティ的に問題があるのでPPTPは止めましょう)。

パケ詰まりは突然に

我が家のネット回線は、ADSLの頃からずっと某老舗プロバイダ(今は名前が違う)を使っていて、BIGLOBEやOCNの利用者がパケ詰まりで騒ぎ始めてからもしばらくは、可もなく不可もなくといった感じの品質を保っていました。2010年頃には、マンションのVDSL回線を使っていて、なぜか長期休暇や連休になったときだけ、たまに実用レベルを下回るといった具合。戸数の小さいマンションに引っ越してからは、特に酷いこともなく、平和に暮らしていました。

ところが、2019年春頃から、何か突然に劣化したような感じ……。20~24時頃は4Mbpsを切ることもざらで、時には1Mbpsを割り、sshすら使えない状態になってしまいました。海外とのテレカンが23時や24時に設定されることが多く、仕事にも支障が出てくる始末。

もしや、ファイル共有しまくりのヘビーユーザが入居してきた?

建物のVDSLがおかしい?

それとも、NTTかプロバイダで何かやらかした?

契約する会社は絞りたいけど、自分が他サービスで利用しているところで、プロバイダ業も手掛けているところは、軒並み評判が悪いのでした。それで、プロバイダを変更するのも二の足を踏む状況に。

仙台で利用可能なお奨めのプロバイダを尋ねてみたところ、プロバイダを変更するよりも、IPoEがいいぞというコメントをいただく。結果的にはそれが正解でした。

ぇー、IPv6なんですか~?

オペレーティングシステム(OS)にIPv6の機能が入り始めた頃、IPv4オンリーの環境なのに、IPv6がデフォルトで有効だとIPv4にフォールバックしない不具合が結構あって、散々泣かされました。そんなトラウマもあって()、どうせIPv6のサイトなど見ないので、IPv4が使えるならできるだけIPv6には触りたくないという気持ちを引きずっていた訳です。

プロバイダの説明を読みにいったら、これまた最近流行りのズルズルと長くスクロールさせるタイプのもので、とにかく読む気が失せるorz

ちょっと我慢して読んでみると「IPv6はいいぞ」「IPv6にすると速くなるぞ」みたいな、謎のうたい文句の先に、やっと少しまともな図が現れました。それでも、本当に知りたいのはそれじゃないんだ!と叫びたくなるような説明が多いのですが。

利用者の抱えている問題:インターネット接続が遅い

利用者が求めているもの:高速なIPv4接続 (IPv6はどうでもいい)

事業者の説明:IPv6接続がお奨め

利用者が抱いた疑問1:IPv4だけでいいのに、なんでここでIPv6を出してくるん?

事業者の補足説明1:PPPoEが詰まりがちなのでIPoEにしましょう

利用者が抱いた疑問2:いや、それでIPv4どこやったの?従来どおり使えるの?

事業者の補足説明2:IPv4 over IPv6を使えばおk

こんな感じ。IPv4を含むインターネット接続の機能は従来どおりで速度だけ改善できる」って、最初に明記して! 問題に最短で答えてほしい。

うち光じゃなくてVDSLなんですけど……

プロバイダの説明文だと、光回線について説明されているものの、VDSLはどうなのだろという疑問が湧くかもしれません。VDSLという専門用語が出てこなくて、単にマンションタイプと書かれていたりするので、少し知識があると余計に混乱するというやつですね。

まぁ、一般的な人()はVDSLかどうかなんて気にしないでしょうし、どのような接続形態なのかはサイトによって違うので、半端に技術解説するよりは、事業者に丸投げするのが正しいのでしょう。

自宅にはVH-100[4]E[N]という100M-VDSLアダプタ装置が使われていました。これは光回線終端装置(ONU)に該当するもので、単にアナログ-デジタル信号変換をしているだけです。変更する必要はなし。

IPoE対応のルータを選ぶ

IPoE, IPv4 over IPv6に対応したルータが必要です。2017/3から使っていたAterm PA-WG2600HPは当然のように非対応なので、これは買い替え。

Wi-Fi 6 (11ax)もガジェットとして()気になったものの、上流はどうせ50Mbps程度だろうし、速度を稼ぐのにチャネルボンディングを有効にしたところで周囲に迷惑をかけそうというわけで、がんばらないことにしました。経験的に、国内他社製品よりAtermを信頼しているので、PA-WG1900HP2をチョイス。

 

いざ、申し込み!

「v6プラス」って何だ?「IPv6接続オプション」て何?プロバイダ側かフレッツ側か、どっちなのよ?……とわけわかめになったのですが、とりあえずIPv6接続が先ということは分かったので、いざ、申し込み!

え、ナニコレ、無料でIPv6接続にできるの?(゚∀゚)
(うちのプロバイダはね)

とりあえず、申し込みの前に、ヨドバシにルータの在庫があるのを確認。明日買えばいいやと、先にプラン変更から進めることに。

プロバイダのサイトに「※お申し込みページにて、IPv6接続オプションと同時にフレッツ・v6オプションをお申し込みいただけます」「フレッツ・v6オプションの詳細につきましては、以下のページをご覧ください。」とあるので、そこからNTT東日本のサイトに飛んで、サクサクと申し込み、ものの一時間程度で開通の通知が来る。ちなみに深夜ですよ?

そして、これではダメだったことを、後日思い知ることにorz

そこは、可能の意の「お申し込みいただけます」ではなく、フレッツ側で直接手続きしないこと、及び、最初からプロバイダ側で手続きすることと書いておいて欲しかった。(寝ぼけながら作業してはいけない)

ルータ完売!

それで、翌日にヨドバシの在庫を再確認したら、前日に寡少だった表示が在庫なしに。なんというタイミングですかorz

仕方がないので通販でポチり。即日開通の夢が……

楽勝で開通!(のはず)

ブツが無事到着。

設定項目を一通り眺めてみたものの、あれ、IPv4 over IPv6もIPoEもキーワードが見当たらないぞ??

IPv6は開通しているはず(と思い込んでいた)。回線の自動判定がコケて、IPv6は未接続だし、PPPoEルータとして設定せよとのこと。そういえば、まだプロバイダへの接続設定をしていないけど、どこにも見当たらなくて、メニューの構造がびみょ。

とりあえず、自動判定を切って、IPv4だけで設定してみる。接続先設定が出てきた。これで従来どおりのインターネット接続は可能に。

動作モードに「v6プラス」とあるので、試しに選択してみるも、動かない。自動判定をONに戻してみてもダメ。しばらく悩んだ後、あぁ、プロバイダへの申し込みも要るのね_('、3」∠)_

要するに、プロバイダからIPv6接続の申し込みを行うことで、フレッツとVNEに連絡が行って、そこで始めてIPv6がリンクするという仕組み。

あぁ、やっとIPv6が有効になった。恐る恐るルータの動作モードをv6プラスに設定してみたら、あっさり来ました!(゚∀゚) 普段混雑している23時頃でも、45Mbps出ています。IPv4の出口はJPNEに変わっています。

ルータ以外の費用はタダで済んだし、もっと早く切り替えておくべきでした。プロバイダがIPoEに対応しているなら、試してみる価値は十分にあると思われます。

なんか、異様に疲れた。固定回線はもっと簡単、高品質にならないですかねぇ……

 

[2020/3/30追記]

速度低下箇所の切り分け

フレッツ回線の場合、以下のサイトを利用して、NTT東西とプロバイダのどちら側が詰まっているのか見当をつけることができます。「インターネット区間」の値と比べて、「NTT東日本・西日本フレッツ網内」の値があまり違わないなら、当エントリのような速度改善は望めないでしょう。

www.speed-visualizer.jp

ルノアールのeduroam終了後、我々はどこに行けばよいのか

関東地域のカフェ等でeduroamが使えるようになった経緯を、昨年末に書きました。大学関係者に大好評のサービスだったのですが、残念なことに2020年3月をもって終了する旨、通信事業者より連絡がありました。サービス開始からちょうど10年目になります。

hgot07.hatenablog.comtwitterでは、サービス終了を嘆く声がちらほら見られました。ところで、終了アナウンスの後に、これまでのサービス提供に感謝するとか、もっと続けてほしいとか、店舗に声をかけた方はいらっしゃるのでしょうか?通常、店舗等のフリーWi-Fiは、ロケーションオーナー(英語ではvenue ownerと呼びます)がその気にならないと導入されないものですよ。

大学でもそうなのですが、
「なんでウチには導入されないんだ#」
「実は誰も要望を上げていなかったのである!」みたいな。

 要望は積極的に挙げていきましょう。

どこへ行けば市街地でeduroamが使えるのか

Cityroam

Cityroam

先の記事に書いたように、日本は世界に先駆けて、比較的規模の大きい市街地eduroamサービスを実現できました。しかし、今回のサービス終了を受けて、大幅縮小ということになります (-130AP)。他の事業者による市街地eduroamサービスも既に幾つかあるのですが、まだあまり規模が大きくありません。とりあえず、私どもが通信事業者と協働で展開しているCityroamと呼ぶサービスが、全国規模では現在唯一のものです。Cityroamのサービスエリアは、以下のウェブサイトの基地局マップに示されています。ピンの立っているところに行けば、eduroamが利用できます。同じ基地局がeduroam JPの提供する基地局マップにも含まれているはずなので、そちらを見る手もあります。

さて、このCityroamとは一体何もの?

Cityroamは、次世代ホットスポット(NGH)を展開するために「セキュア公衆無線LANローミング研究会 (NGHSIG)」が運用している、セキュアな公衆無線LANローミング基盤です。詳しくはリンク先のサイトで見ていただくとして、ざっくり説明すると、eduroamのように安全・自動接続可能な無線LANを、誰でも使えるようにしたものです。技術的には、キャリアWi-Fi(セキュアな方)でもお馴染みのIEEE 802.1xによる認証方式(通称1X認証)が採用されています。

Cityroamの基地局では、原則としてeduroamのSSIDも併設することにしているため、eduroamの利用者は自機関の設定そのままで、市街地でもeduroamが利用できます。ルノアールで使うのと一緒です。

市街地のeduroamサービスには、eduroam参加大学が個別に展開しているものも若干あります。これらも、eduroam JPが提供する基地局マップに掲載されているので、探してみるとよいでしょう。
(eduroam参加機関は、基地局マップデータを提出することが義務となっています。サボらないで、きちんと作成してeduroam JP事務局に送ってください)

他大学の図書館や厚生施設を使おう

eduroam参加機関の大学・研究所にある図書館や厚生施設など、部外者でも入れるところがありますので、積極的に利用してはいかがでしょうか。

地方都市では大学キャンパスまで赴くのが大変なことが多いですが、東京の中心部ならば、最寄りの大学もそう遠くないでしょう。

うまくいけば、どこかの大学キャンパスに隣接する店舗からも、eduroamの電波を拾えるかもしれません。

ここをeduroamサイトとする

「そうは言っても使いたいところにeduroamが無いんじゃ~」という場合は、なんとか頑張って誰かに導入してもらうしかありません。いや、自腹で入れてもらってもいいですよ、社会貢献として!

いずれの場合でも、基地局を設置する場所のロケーションオーナーさんをその気にさせないといけません。店舗や施設などから「eduroamを導入したい」と言わない限り、事業者が自発的に導入提案することはまずありません。うまくやってください(オイ)。

eduroam JPのウェブサイトには、eduroamサービスを含む無線LANシステムを運用できる事業者の一覧があります。そのいずれかに相談すると、話が早いと思います。代わりにセキュア公衆無線LANローミング研究会に相談することもできます。

大学等のキャンパス無線LANシステムは、SI事業として構築されることが多いものです。上記事業者に加えて、SI事業者でもキャンパス外にeduroam基地局を打てる可能性はありますが、フリーWi-Fiの「運用」が絡むと実現できないかもしれません。

さて、ここで注意が一つあります。この記事の執筆時点で、フリーWi-FiやキャリアWi-Fiを展開している大手の通信事業者ではeduroamを導入しにくいということです。eduroamに限らないのですが、事業者が標準で用意しているSSIDと異なるものを使うのが難しいようです(わざとぼかした)。なので、最初からeduroamに対応できる業者に声をかけるのがお奨めです。

近所のeduroam参加機関に声をかけてみるのもよいかもしれません。欧州では、最寄りの大学が市街地eduroamを展開している例が散見されます。
(日本の大学はこの辺もうちょっと頑張ってほしいなぁと)

もしeduroam導入の話がうまく進みそうになってきたら、ついでにCityroamも薦めてみてはいかがでしょうか。次世代ホットスポットと国際ローミングに対応したCityroamなら、eduroamの利用者を含めて誰でも、安全なフリーWi-Fiが利用できるようになります。訪日旅行者にも好評になるはずですよ!

 

 

Tileで紛失物探しはどれだけ使えるか in ウィーン

続編です。テスト方法については、以下のエントリを参考にしてください。念のため断っておくと、Tileのメインの使い方とは違うので、このテスト結果をもってTileが使い物にならないということではありません。適材適所の見極めが重要です。

hgot07.hatenablog.com

さて、出張ついでにウィーンを3日ほどうろちょろしてみたのですが、コートに入れたTileタグを誰も見つけてくれません;; 世界的な観光都市なので、検出率はずっと上がるかと期待していたのですが、ダメでした。朝夕のラッシュの地下鉄にも乗ったのに。なお、アプリの表示を見ると、周囲に650人ほどの利用者が居ることになっています。

最後に他人がタグを検出してくれたのは、出発前の羽田空港のラウンジでした。もう、圧倒的に、環境中のセンサが足りないということでしょう。移動された紛失物を見つけられるようにしたいなら、かなり積極的な策が必要だろうと思います。さぁ、どうする、Tile?

SSIDに付ける"nomap"をハンドルやユーザ名に含めるのは危ないかもしれない

このエントリを読んでいる人ならまず間違いなく、「nomapってあれでしょ?Googleによる無線LANアクセスポイントの位置情報収集を拒否するためにSSIDに付加するやつ」と思うのではないでしょうか。えぇ、私も冗談のつもりでハンドルに"_nomap"と付けていたのですが……。

www.weblio.jp最近、自分のtwitterアカウントの一つが妙なリストに含まれていることに気付きました。アカウントが羅列されただけのツイートだったので、最初はあまり気にしていなかったのですが、遡ってみたところ唖然とする結果に。まぁ、こちら↓を見ていただければ分かります (涙目)。

www.urbandictionary.com誰かが、nomapは "non offensive minor-attracted person" の略であると主張したようです。これは酷い……。2018年2月に登録されたようですが、2011年に大騒ぎになったGoogleの件を知らなかったのでしょうか。

ちょろっと検索してみると、略語でない方は、専門用語として存在するようです。どうもこれが略語化され、一部でカジュアルに使われるようになったらしい。

そして、「単に検索したのではなく、自分で調査した」と主張するツイートとともに、私のアカウントが含まれたリストがひっそりツイートされていました。それ、ただのキーワードマッチングじゃん!#

というわけで、アカウントやハンドルネームに nomap を含めるのは危険かもしれないというお話でした。

いくら言語が時代によって変化していくとはいえ、こういった衝突が起こるのは、本当にやりきれない。あぁ、自分が知らなかっただけですね……orz

MAMORIOの「みんなで探す」はどれぐらい有効なのか in 仙台

以前書いた以下のエントリの続編です。

hgot07.hatenablog.com

誤解されないようにはじめに断っておきますが、MAMORIOやTileが大きな効果を発揮するのは、身近にタグがあるか、自分で置き忘れたのをスマフォが検出できていたときです。本エントリで試している機能は、製品の主な用途ではなく、本当に最後の望みにかけるようなものです。

想定シナリオは以下のとおり。

  • スマフォのBluetoothGPSを切っていたり、アプリ停止・休眠、バッテリ切れなどが原因で、タグを付けた物を置き忘れたときに、スマフォがそれを検出できていなかった。
  • タグを付けた物や車が、他人によって移動された。バス・電車など公共交通での紛失や、車両の盗難などが、このパターン。
  • タグを付けていた動物などが自律移動した。(ルンバかもよ?)

要するに、最近タグが検出された場所を探しても、紛失物はそこにないという状況での探し物です。

前回Tileで遊んでいたら、さっぱり他人に見つけてもらえなかったのですが、それなら国内でメジャーな製品ならどうなのだろうと思いヨドバシを覗いてみたのが運の尽き(アレ?)。店頭在庫があったのと、ポイントが十分あったので、ついMAMORIOも手にしていました。(研究、研究)

突然の
_人人人_
> 結論 <
 ̄Y^Y^Y ̄
ですが、この用途では、人が留まる飲食店や、そこそこ人通りのある市街地でも、誰かにタグを検出してもらうのは相当難しいようでした。少なくとも仙台では。というわけで、以下が実験の詳細です。

アプリの設定とタグの登録は、まぁ普通(少し見通しが悪い印象はある)。一通り機能を試してみた後で、スマフォのBTをオフに……したらアプリが強制終了されてしまい、立ち上げ直しても設定含めて何も操作できない。本来の使い方とは違うし、BT/GPSを有効にするように誘導したいのだろうと推測しますが、このような挙動では印象が悪いです(鬱陶しい広告やマルウェアの挙動に似ているため)。すべての機能へのポータルになるアプリなのだから、操作できる部分は可能な限り残すべきでしょう。

さて、BTを有効にすると、手元にあるタグが検出されてしまい、「みんなで探す」機能を有効にできません。そこでひと工夫。タグを空き缶にぶち込んでシールドしてからBTオン!……あれ?少し長い時間タグを探して、検出失敗してからでないと、「みんなで探す」ボタンが出ない……。ここも見通しが悪い印象です。

あと、せっかくウェブインタフェースもあるのに、そこから操作できないのがもったいない (何か見落としている?)。スマフォごと紛失しても捜索開始できるとよいのに。(2020/2/7追記: しかもこのウェブ、誰かが見つけてくれても日時・位置情報とも更新されないので、有効性に疑問あり)

 

Searching for a MAMORIO tag.

MAMORIOタグ捜索中

なんとかみんなで探すモードに設定できたので、タグをコートに入れて、前回のように市街地をうろちょろ。車に置いて駐車場に放置も試してみました。

うーん、ダメです_('、3」∠)_

大勢がスマフォを使っているであろうコメダココイチにも通っていましたが、見つけてもらえません。ほぼ丸5日経ったのですが。

というわけで、今の仕組みと普及率では、自分で見失ったその瞬間だけが勝負で、他人に見つけてもらうには相当な幸運が必要なようです。Tile編にも書いたように、この用途では、普及率とセンサ(アンテナ)の密度を高めなければ、有効性が得られないでしょう。スマフォを鞄やポケットに入れているだけでは、スリープしてしまい、センサとして機能しなくなってしまうのも辛いところです。まさか歩きスマフォを推奨するわけにもいかないし、どうしたものでしょう。店舗や施設が協力したら?

首都圏ではどんな具合になるのか、出張の機会に探ってみようと思います (報告するとは言ってない)。一応、twitterにはそれなりに成功例が挙がっているようなので。

 

[2020/2/2追記] タグをコートに入れてから二週間が経ちましたが、まだ捕捉されません。仙台の中心部でさえこのような状況ではつらいです。積極的なセンサ普及策が欲しいところ。もちろん、本来のメインの用途では問題ないわけですが。

 

Tileで紛失物探しはどれだけ使えるか in 仙台

紛失防止タグというものがあることは知っていたのですが、普段置き忘れにはよく気を付けているので、必要性を感じていませんでした。安くもないし……

ところが最近、twitterで「盗まれやすそうな車に乗ってる人はとにかくtile pro 2020入れとけ」というツイートが目に留まりました。そんな車ではないのですが、盗難対策は気になります。古いスマフォを乗せて置こうかとも考えたのですが、SIMも要るし、過酷な車内環境でバッテリが破裂しようものなら怖いので、実行に移せないでいました。このツイートを見て、なるほどその手があったか、120m範囲で検出できるなら使い物になるかな、試してみようかなどと思ってしまい、ProとMateを即日発注してしまいました。

注:この製品が大きな効果を発揮するのは、身近にタグがあるか、自分で置き忘れた(のをスマフォが検出できた)ときです。本エントリでテストしている用途はこれと違います。

 

紛失防止タグというと、MAMORIOも有名で、よく似た機能を提供しています。私の場合は、海外でも使えるといいかもという期待があって、Tileにしてみました。届いたのがこちら(写真)、微妙に大きい気がする。

Tile Pro

Tile Pro、微妙に大きい……

 

Android用のアプリを導入して、設定は特に面倒なこともなく、サクサク進みます。一通り機能を試した上で、スマフォのBluetoothGPSをオフに。何かとプライバシや電池浪費が怖いので、普段はオフにしているものです。そして、タグに紛失フラグを立てておきます。

Searching for Cat w/ Tile

Tileの捜索モード、「ネコを失くしましたか?」……じわる。

120mと接続距離の長いProを車に、45mのMateをコートに入れて、誰か検出してくれるかどうか様子を見ます。職場駐車場から自宅に移動したり、ココイチコメダに行ったり、仙台市内を少し移動してみましたが、誰も見つけてくれない……。自宅駐車場に二晩停めてあっても、誰も通りかからなかった模様。

人通りの多い所なら検出してもらえるかと思い、駅前のヨドバシカメラベローチェモスバーガーあたりをうろうろ。なかなか見つけてもらえない;;

……と思っていたら、モスバーガーを出たところで初めて、誰かに捕捉された!(゚∀゚)

また紛失フラグを立て直してうろうろしていましたが、さっぱり捕まりません。アプリの表示によると、地域に500~600の利用者が居るようなのですが、うーん……_(:3」∠)_

というわけで、仙台ではまだまだ普及率が低いようです。利用者が普段スマフォのBT/GPSをオンにしている必要がありますが、屋内での探し物をメインにしている人は、たぶん切っていますよね……。

Tileは、JapanTaxiと提携して「JapanTaxiタブレット」搭載タクシーを「動くTileアクセスポイント」に仕立てていますが、これはとてもよい取り組みだと思います。タグの検出には時間がかかるので、走行中にすれ違った程度では検出できないでしょう。それでも、こうした取り組みによって検出エリアを広くして、紛失物の検出率を上げていくことが、この手のタグでは重要でしょう。

一方、店舗でさっぱりタグが検出してもらえないのは、ちょっと意外でした。わざわざ専用のアクセスポイントを設置しなくても、店のスマフォにアプリを入れてもらうだけで、対応エリアが一気に広がると思います。利用者端末のBT/GPSをオンにし続けてもらうことや、店舗でアプリを起動しておいてもらうことに、何かインセンティブがあると良いのかもしれません。

さて、冒頭の盗難車対策については、まだ有効性が微妙な感じがします。万一にでも見つかればよい程度のものでしょうか。とにかく、利用者があちこちにいるような状況を作り出すことが重要でしょう。あと、事業者ごとにセンサネットワークが独立しているのは、実にもったいないことだと思います。特許もあるだろうし、色々と難しいのでしょうが、なんとか連携したオープンプラットフォームにできないものでしょうかね。

というわけで、もちょっと様子見。(下に追記あり)

余談:
無線LANにはMACアドレスランダム化の導入が進むなか、この手のソリューションのプライバシがどうなっているのか、私、気になります!

 

[2020/1/25] MAMORIO編も書きました。

hgot07.hatenablog.com

[2020/2/1追記] 車とコートにそれぞれタグを入れて半月が過ぎましたが、結局誰にも見つけてもらえませんでした。駅前もサンモール一番町も時々歩いていたのに。たまたま知り合いがTile利用者だったので、コートの方はその人と会った時に検出されたのですが、これはノーカン。
というわけで、仙台でこれだけ拾われないのでは、紛失物を他人に見つけてもらうのは相当の運が要るということでしょう。この手の製品は、タグが身近にある場合に限って有効と割り切った方がよいでしょう。

もう少し様子を見てから、自分のスマフォもセンサとして働くようにしようと思います。

 

[2020/5/1追記] 4月に入ってから、以前は反応がなかった市内のあちこちで、たまにタグの電波を拾ってもらえるようになってきました。駐車場のそばの施設に通ってくる人がいることも分かりました。すぐに拾ってもらえるにはまだまだですが、利用者が増えて街なかのセンサも増えてきたのは嬉しいことです。どうして急に増えてきたのか考えてみたのですが、バッテリ交換不可の廉価版が2月末からローソン等で売られていたことに思い当たりました。ちょっと試してみようという人のきっかけになったのだと思います。良い戦略ですね。一方、MAMORIOとTrackRは、これだけ長い期間使っていても、拾ってもらえません。戦略的にTileの勝ちといったところでしょうか。(少なくとも私の生活圏では)

prtimes.jp

[2020/11/5追記] スマフォの機種変の際に反応しないことが判ったTile、バッテリ切れに気付かず、登録しなおさないとダメかと思って譲渡のメニューに飛んで、譲渡実行せず、ここではなさそうと引き返しただけでアプリ上から既に消えており、譲渡も再登録もできずに死亡_(゚。3」∠)_ 他社のタグより優れているだけに、このアプリの不具合はひどすぎる。