hgot07 Hotspot Blog

主に無線LANや認証連携などの技術についてまとめるブログです。ネコは見る専。

Tileで紛失物探しはどれだけ使えるか in 仙台

紛失防止タグというものがあることは知っていたのですが、普段置き忘れにはよく気を付けているので、必要性を感じていませんでした。安くもないし……

ところが最近、twitterで「盗まれやすそうな車に乗ってる人はとにかくtile pro 2020入れとけ」というツイートが目に留まりました。そんな車ではないのですが、盗難対策は気になります。古いスマフォを乗せて置こうかとも考えたのですが、SIMも要るし、過酷な車内環境でバッテリが破裂しようものなら怖いので、実行に移せないでいました。このツイートを見て、なるほどその手があったか、120m範囲で検出できるなら使い物になるかな、試してみようかなどと思ってしまい、ProとMateを即日発注してしまいました。

注:この製品が大きな効果を発揮するのは、身近にタグがあるか、自分で置き忘れた(のをスマフォが検出できた)ときです。本エントリでテストしている用途はこれと違います。

 

紛失防止タグというと、MAMORIOも有名で、よく似た機能を提供しています。私の場合は、海外でも使えるといいかもという期待があって、Tileにしてみました。届いたのがこちら(写真)、微妙に大きい気がする。

Tile Pro

Tile Pro、微妙に大きい……

 

Android用のアプリを導入して、設定は特に面倒なこともなく、サクサク進みます。一通り機能を試した上で、スマフォのBluetoothGPSをオフに。何かとプライバシや電池浪費が怖いので、普段はオフにしているものです。そして、タグに紛失フラグを立てておきます。

Searching for Cat w/ Tile

Tileの捜索モード、「ネコを失くしましたか?」……じわる。

120mと接続距離の長いProを車に、45mのMateをコートに入れて、誰か検出してくれるかどうか様子を見ます。職場駐車場から自宅に移動したり、ココイチコメダに行ったり、仙台市内を少し移動してみましたが、誰も見つけてくれない……。自宅駐車場に二晩停めてあっても、誰も通りかからなかった模様。

人通りの多い所なら検出してもらえるかと思い、駅前のヨドバシカメラベローチェモスバーガーあたりをうろうろ。なかなか見つけてもらえない;;

……と思っていたら、モスバーガーを出たところで初めて、誰かに捕捉された!(゚∀゚)

また紛失フラグを立て直してうろうろしていましたが、さっぱり捕まりません。アプリの表示によると、地域に500~600の利用者が居るようなのですが、うーん……_(:3」∠)_

というわけで、仙台ではまだまだ普及率が低いようです。利用者が普段スマフォのBT/GPSをオンにしている必要がありますが、屋内での探し物をメインにしている人は、たぶん切っていますよね……。

Tileは、JapanTaxiと提携して「JapanTaxiタブレット」搭載タクシーを「動くTileアクセスポイント」に仕立てていますが、これはとてもよい取り組みだと思います。タグの検出には時間がかかるので、走行中にすれ違った程度では検出できないでしょう。それでも、こうした取り組みによって検出エリアを広くして、紛失物の検出率を上げていくことが、この手のタグでは重要でしょう。

一方、店舗でさっぱりタグが検出してもらえないのは、ちょっと意外でした。わざわざ専用のアクセスポイントを設置しなくても、店のスマフォにアプリを入れてもらうだけで、対応エリアが一気に広がると思います。利用者端末のBT/GPSをオンにし続けてもらうことや、店舗でアプリを起動しておいてもらうことに、何かインセンティブがあると良いのかもしれません。

さて、冒頭の盗難車対策については、まだ有効性が微妙な感じがします。万一にでも見つかればよい程度のものでしょうか。とにかく、利用者があちこちにいるような状況を作り出すことが重要でしょう。あと、事業者ごとにセンサネットワークが独立しているのは、実にもったいないことだと思います。特許もあるだろうし、色々と難しいのでしょうが、なんとか連携したオープンプラットフォームにできないものでしょうかね。

というわけで、もちょっと様子見。(下に追記あり)

余談:
無線LANにはMACアドレスランダム化の導入が進むなか、この手のソリューションのプライバシがどうなっているのか、私、気になります!

 

[2020/1/25] MAMORIO編も書きました。

hgot07.hatenablog.com

[2020/2/1追記] 車とコートにそれぞれタグを入れて半月が過ぎましたが、結局誰にも見つけてもらえませんでした。駅前もサンモール一番町も時々歩いていたのに。たまたま知り合いがTile利用者だったので、コートの方はその人と会った時に検出されたのですが、これはノーカン。
というわけで、仙台でこれだけ拾われないのでは、紛失物を他人に見つけてもらうのは相当の運が要るということでしょう。この手の製品は、タグが身近にある場合に限って有効と割り切った方がよいでしょう。

もう少し様子を見てから、自分のスマフォもセンサとして働くようにしようと思います。

 

[2020/5/1追記] 4月に入ってから、以前は反応がなかった市内のあちこちで、たまにタグの電波を拾ってもらえるようになってきました。駐車場のそばの施設に通ってくる人がいることも分かりました。すぐに拾ってもらえるにはまだまだですが、利用者が増えて街なかのセンサも増えてきたのは嬉しいことです。どうして急に増えてきたのか考えてみたのですが、バッテリ交換不可の廉価版が2月末からローソン等で売られていたことに思い当たりました。ちょっと試してみようという人のきっかけになったのだと思います。良い戦略ですね。一方、MAMORIOとTrackRは、これだけ長い期間使っていても、拾ってもらえません。戦略的にTileの勝ちといったところでしょうか。(少なくとも私の生活圏では)

prtimes.jp

[2020/11/5追記] スマフォの機種変の際に反応しないことが判ったTile、バッテリ切れに気付かず、登録しなおさないとダメかと思って譲渡のメニューに飛んで、譲渡実行せず、ここではなさそうと引き返しただけでアプリ上から既に消えており、譲渡も再登録もできずに死亡_(゚。3」∠)_ 他社のタグより優れているだけに、このアプリの不具合はひどすぎる。