hgot07 Hotspot Blog

主に無線LANや認証連携などの技術についてまとめるブログです。ネコは見る専。

MAMORIOの「みんなで探す」はどれぐらい有効なのか in 仙台

以前書いた以下のエントリの続編です。

hgot07.hatenablog.com

誤解されないようにはじめに断っておきますが、MAMORIOやTileが大きな効果を発揮するのは、身近にタグがあるか、自分で置き忘れたのをスマフォが検出できていたときです。本エントリで試している機能は、製品の主な用途ではなく、本当に最後の望みにかけるようなものです。

想定シナリオは以下のとおり。

  • スマフォのBluetoothGPSを切っていたり、アプリ停止・休眠、バッテリ切れなどが原因で、タグを付けた物を置き忘れたときに、スマフォがそれを検出できていなかった。
  • タグを付けた物や車が、他人によって移動された。バス・電車など公共交通での紛失や、車両の盗難などが、このパターン。
  • タグを付けていた動物などが自律移動した。(ルンバかもよ?)

要するに、最近タグが検出された場所を探しても、紛失物はそこにないという状況での探し物です。

前回Tileで遊んでいたら、さっぱり他人に見つけてもらえなかったのですが、それなら国内でメジャーな製品ならどうなのだろうと思いヨドバシを覗いてみたのが運の尽き(アレ?)。店頭在庫があったのと、ポイントが十分あったので、ついMAMORIOも手にしていました。(研究、研究)

突然の
_人人人_
> 結論 <
 ̄Y^Y^Y ̄
ですが、この用途では、人が留まる飲食店や、そこそこ人通りのある市街地でも、誰かにタグを検出してもらうのは相当難しいようでした。少なくとも仙台では。というわけで、以下が実験の詳細です。

アプリの設定とタグの登録は、まぁ普通(少し見通しが悪い印象はある)。一通り機能を試してみた後で、スマフォのBTをオフに……したらアプリが強制終了されてしまい、立ち上げ直しても設定含めて何も操作できない。本来の使い方とは違うし、BT/GPSを有効にするように誘導したいのだろうと推測しますが、このような挙動では印象が悪いです(鬱陶しい広告やマルウェアの挙動に似ているため)。すべての機能へのポータルになるアプリなのだから、操作できる部分は可能な限り残すべきでしょう。

さて、BTを有効にすると、手元にあるタグが検出されてしまい、「みんなで探す」機能を有効にできません。そこでひと工夫。タグを空き缶にぶち込んでシールドしてからBTオン!……あれ?少し長い時間タグを探して、検出失敗してからでないと、「みんなで探す」ボタンが出ない……。ここも見通しが悪い印象です。

あと、せっかくウェブインタフェースもあるのに、そこから操作できないのがもったいない (何か見落としている?)。スマフォごと紛失しても捜索開始できるとよいのに。(2020/2/7追記: しかもこのウェブ、誰かが見つけてくれても日時・位置情報とも更新されないので、有効性に疑問あり)

 

Searching for a MAMORIO tag.

MAMORIOタグ捜索中

なんとかみんなで探すモードに設定できたので、タグをコートに入れて、前回のように市街地をうろちょろ。車に置いて駐車場に放置も試してみました。

うーん、ダメです_('、3」∠)_

大勢がスマフォを使っているであろうコメダココイチにも通っていましたが、見つけてもらえません。ほぼ丸5日経ったのですが。

というわけで、今の仕組みと普及率では、自分で見失ったその瞬間だけが勝負で、他人に見つけてもらうには相当な幸運が必要なようです。Tile編にも書いたように、この用途では、普及率とセンサ(アンテナ)の密度を高めなければ、有効性が得られないでしょう。スマフォを鞄やポケットに入れているだけでは、スリープしてしまい、センサとして機能しなくなってしまうのも辛いところです。まさか歩きスマフォを推奨するわけにもいかないし、どうしたものでしょう。店舗や施設が協力したら?

首都圏ではどんな具合になるのか、出張の機会に探ってみようと思います (報告するとは言ってない)。一応、twitterにはそれなりに成功例が挙がっているようなので。

 

[2020/2/2追記] タグをコートに入れてから二週間が経ちましたが、まだ捕捉されません。仙台の中心部でさえこのような状況ではつらいです。積極的なセンサ普及策が欲しいところ。もちろん、本来のメインの用途では問題ないわけですが。