hgot07 Hotspot Blog

主に無線LANや認証連携などの技術についてまとめるブログです。ネコは見る専。

アライドテレシスAT-TQm5403のPasspointを試してみる (2023年版)

二年越しの続編です。前回のはこちら ↓

hgot07.hatenablog.com

6000番台のモデルがPasspoint非対応だったので、アライドテレシスさんとは少し疎遠になっていました。AT-TQm5403のファームウェアが上がって、何か改良されているのではないかと期待してみたら、色々と変化があったようです。

Passpointの設定値の詳細については、前回の記事を参照してください。

今回は、GUIの差分だけしか書きません。

 

AT-TQm5403

AT-TQm5403

 

ファームウェアのアップデート

二年前のファームウェアは、Ver.6.0.1-6.1でした。

執筆時点の最新版 (2023年6月)はVer.6.0.3-0.1です。あれ、あまり上がっていない。

あまり面倒なことなく、アップデートは完了します。ただし、ファームウェアのイメージファイルをいちいちウェブサイトからダウンロードしてこないといけないのが、現代的ではありません。本体からボタン一つでダウンロードできる機能が欲しいところです。

 

変わったところ

まずは古い方から。

802.11uの設定と、Hotspot 2.0の設定が分かれています。バンドごとに設定を入れていくのが面倒です。

HESSIDには何を入れたらよいか分からないし、Domain NameやNAI Realm、Operator Friendly Nameの書き方も、不親切です。hostapd.conf の書き方を調べないといけません。

802.11uの設定 (旧型式)

802.11uの設定 (旧型式)

Hotspot 2.0の設定 (旧型式)

Hotspot 2.0の設定 (旧型式)

では、新しい方を見てみましょう。

NAI Realmの設定が分かりやすくなって、EAP Methodをプルダウンから選ぶだけになっています。

HESSIDは、デフォルト値が自動で入るようになりました。

802.11uの設定 (新型式)

802.11uの設定 (新型式)

802.11uの設定 (新型式) 続き

802.11uの設定 (新型式) 続き

Passpointの設定画面も分かりやすくなりました。デフォルト値が入っていて、迷うところが減りました。

ただし、Operator Friendly NameのLanguage Codeは eng が例示されるだけで、他のコードは何を手入力したらよいのか、分かりにくいです。

Passpointの設定 (新形式)

Passpointの設定 (新形式)

さて、最新ファームウェアでも、バンドごとにPasspoint設定を入れなければならない仕様になっているのが残念です。ここはやはり、Passpointだけのプロファイルを独立させる、MerakiやEdgecoreの形式の方が楽です。

早期に改善されることを願っています。

 

まとめ

とりあえず、ちゃんと動くという証拠を。

末尾に56と付いたSSIDが、Passpointを設定したものです。画面では端末にインストール済のふたつのPasspointプロファイルが見えています。

端末からのテスト

端末からのテスト

新しいファームウェアで、Passpoint設定がだいぶ分かりやすくなったものの、現場から見るともう少し見通しのよいGUIになるように頑張って欲しいというのが本音です。VAPとかの用語も、他のベンダから見たら分かりにくいです。

今やWi-Fi 5モデルを導入するのは難しいので、Wi-Fi 6モデルでもPasspoint対応するように願っています。アライドさん、最近WBAにも加入しましたよね。

[2023/9/4追記] TQ6000 GEN2シリーズ、TQm6000 GEN2シリーズが、ファームウェア8.0.3-0.1 でPasspoint対応したようです。

 

P.S.
あと、VPN機能も欲しいです。OpenRoamingでトラフィックの保護が求められているので。

 

おわり