[末尾に2022/1/16追記あり]
要点
導入!
研究室のサーバルームの空調機が古く、時々故障するという状況で、長いこと気付かないでいるとサーバが焦げてしまう恐れあり。実際かなり暑くなっていた(体感36℃)のに気づかず、危なくサーバが逝きそうだったことが何度か_(゚。3」∠)_
(ちゃんと更新しろください)
ちなみに、36℃ぐらいならなんとかなるのではと思った方、甘いです!1Uや2Uのラックマウントサーバなど、小さなファンを爆速で回す仕様のため、周囲温度が高いとあっさりファンが逝きます。また、HDDなら比較的頑張るところが、SSDは熱に弱く、これもあっさり逝きます (経験あり)。電源ユニットに多用される電解コンデンサは、アレニウスの経験則に従い、温度が10℃上がると寿命が1/2になると言われています (が高すぎるとこの限りではない)。
冷却は重要。
以前は部局の温度センサーで監視されていたのですが、理由あって部局の監視対象から外れてしまったので、自前で用意してみました。自分で色々仕込むのは面倒だったので、サクッと使えそうなやつで目に付いた、Planex「ドコデモセンサー」です。
微妙に値が張りますね……。
設定!
面倒なことはないです。センサーの方は、マニュアルに従って、最寄りの無線LAN基地局に接続するだけです。WPA2-PSKの基地局が必要です。USBプラグは電源専用なので、ここからデータを読み出すことはできません。
製品紹介のサイトを見ると、USB電源アダプタの上にセンサーを挿している画像が貼られていますが、アダプタの熱を拾ってしまいそうなので、こういう設置は避けた方がよいでしょう。また、機材の排熱の影響を受ける、下図のような設置もダメです。
他の機材から離すように、延長ケーブルを使うのがよさそうです。
クラウドサービスの方もあまり面倒はなく、まずアカウントを作って、センサーを登録すれば、すぐに計測値が見られるようになります。
このサイト、ログイン時にパスワードを入力するのにもhttpのままだったりするので、一度手動でhttpsにアクセスして、こちらをブックマークしておいた方がよいです。あと、URLが長くて覚えにくいのも難点。
様子見!
ウェブサイトにログインして、「ドコデモセンサー」を選択の上、見たいセンサーのグラフアイコンをクリックすると、こんな感じに見えます。一日単位でしか見られないのがイマイチ。CSV形式でのダウンロードも可能で、APIも公開されているので自動化可能。
なんで温度が時々上がっているのか……?1度部屋に出入りした程度でこんなになるのはおかしいと思っていたのですが、どうやらサーバの負荷が一時的に高くなり、ファンが高速回転、その排熱がセンサーに当たっていたようです。センサーの設置場所は重要。
通知設定!
クラウドサービスには、予め設定した温度になるとメールで通知してくれる機能があります。メールアドレスを指定して、温度と継続時間を選択するだけです。
この機能こそ、サーバルームの監視には重要でしょう。
ただ、ちょっとおバカで、設定温度に達した状態では、何度もメール通知が届きます。受信漏れしにくいという点では安全サイドなのでしょうが、メールボックスが酷いことになります。
同社の「スマソケ」と連携させると、電気製品の制御も可能なようです。無線LANとクラウドなので、ちょっと信頼性に不安がありますが。
その他!
同種のセンサーデバイスを色々と物色していたのですが、他に目に付いたのがGoveeの製品。本体に液晶ディスプレイも付いていて、その場ですぐに読み取れるのが便利です。
しかし、こちらはスマートフォンのアプリでないとデータの閲覧ができず、ウェブサービスがないので、自前で他の機材と連携させるのが難しいようです。乾電池駆動なので、交換の手間もあります。老人や子供の部屋の監視にはよいかもしれませんが。
(たまたま安く出ていた上の丸いモデルを買ったのですが、下の方が良かったかなと後悔)
P.S.
技術屋なので「センサー」ではなく「センサ」と書きたかったところですが、製品名に合わせて(泣く泣く)前者に合わせました。
おわり
[2022/1/16追記]
日本時間の15日午後1時10分頃、トンガ諸島の火山島「フンガ・トンガ フンガ・ハアパイ」で大規模な噴火が発生しました。この噴火により生じた衝撃波が世界にも広がり、日本でも微かに気圧変化が観測されていました。
一日経ってから、そういえばサーバルームのセンサーでも気圧観測できたなと思い出して、クラウドからデータを引き出してみたらこのとおり。見事に観測されていました! CSVファイルを見ると、若干ゆらぎがあるものの、概ね30秒間隔のサンプリングでした。
ソラテナで観測された時刻とも一致しました。