無線LANの話はどこいったんだ!と突っ込まれそうですが、すみません、今ちょっとNDAな話に首を突っ込んでいまして……。もう少々お待ちを。
前回のエントリの続きのようなものです。
HELIOSをいじくっていると、絞りとフォーカスの両方がメカニカルなレンズが、直観的でおもしろく感じてきました。一応、今どきの電子式のレンズでもマニュアルフォーカス(MF)は可能ですが、絞りの調整には少し手間取ります。あと、電子式のピントリングは絶対位置からドリフトしていくので、ピントを決めにくいことがあります。
結局、マイクロフォーサーズ(MFT)機にHELIOS 44-2を付けると中望遠になってしまうということで、HELIOSはAPS-Cで使うことにしたのは前記事のとおり。しかし、メイン機の OM-D E-M5 Mark II でも似たような使い方ができるレンズが欲しくなってきました(沼)。あと、HELIOS + APS-C が35mm判換算90mm程度の焦点距離なので、もう少し広い方が使いやすいかなと。
7Artisansがおもしろそう
それで、MFTで換算60~90mmになるような、何かおもしろそうなレンズはないかと探していたところ、偶然たどり着いたのが七工匠(しちこうしょう)の7Artisansでした。オールドレンズじゃないです!新しいです!
でもこれ、スペックの良さよりも画の味わいに振って設計しているらしく、興味を惹かれるじゃぁありませんか!
中国製というのに少し不安を覚えるのですが、オールドレンズにこだわったところでハズレを掴む危険性はあるので、安いし、試してみる価値は十分にありそう。
35mmの他に50mmのモデルもありますが、換算90mmで狭いっ!と苦しんでいたので、35mmをチョイス。F0.95とF1.2では、手持ちのNOKTON 25mm F0.95と比べてみたかったので、F0.95を選びました。後で気付いたのですが、MFTで使うと、もしかすると少し暗めかもしれません。
届きました。\ばばーん/
MFTマウント版を買ったので、アダプタは不要です。E-M5 Mark IIに取り付けてみたのですが、工作精度が低いのか、少し固い感じでした。ちょっと先行き不安。
NOKTONのクソ重いのには閉口したのですが、それなりに重量感があるものの、旅行に持ち出しても良いと思えるぐらいです。リングも適度なトルク感をもってスムーズに回ります。オールドレンズでは回らないこともありますからね……
レンズキャップは金属製で、かぶせるタイプのものです。レンズプロテクターを付けるとずり落ちてしまうので、クリップ式など他のキャップを用意する必要があります。
いざテスト!
触りまくった第一印象はとてもよい!
画角はHELIOSより広くて、使いやすそう。ただし、画がどうなるかを見ないと、まだまだ不安。
現代的な設計らしく、常識的な距離()まで被写体に寄って撮影できます。HELIOSは0.5mですが、この7Artisansは0.37mの刻印があります。
いやぁ、めっちゃ楽!(・∀・)
いきなりそれかよという感じで、逆光テストです(笑)
逆光テスト1
絞り開放で、ヘッドライトの面がボケています。オッと思ったのは、開放にしてもNOKTONみたいな派手なパープルフリンジが出なくて、少しのにじみで済んでいることです。
ちょっと絞ってみると……、
逆光テスト2
盛大なゴーストが出ました(汗)
なかなか手強そうですが、F8-16ぐらいまで絞って、カメラ側で露出を下げると、ゴーストは目立たなくなります。
逆光テスト3
ゴーストとフレアについて、もう一つ気になったのがこちら。
逆光テスト4
手振れしたので、画はダメダメですが、注目すべきは右側にある謎の光線です。MFTの撮影範囲外に照明があるのですが、フレアががっつり入ってしまいました。APS-C向けに設計されたレンズだからでしょうか?
この辺のクセと回避方法を掴んでおくと、本番で失敗しにくいと思います。
HELIOSで人々を魅了する(?)、いわゆるぐるぐるボケですが、コマ収差はどんな感じでしょうか。まずはHELIOSの例から。
HELIOS 44-2のボケ
円周方向にボケて、ぐるぐる回っている感じです。
次に、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8の例です。
M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8のボケ
HELIOSよりぼかし過ぎていますが、画像の周辺部分でも円に近づくように頑張っているのが分かります。よくみるとおむすびになっていますが。
7Artisansの場合はこう。
7Artisans 35mm F0.95のボケ
少しレモン型になっていますが、エッジが少しうるさい感じです。
別のシーンで見るとこんな感じ。
電飾
電飾2
レモン型のボケが出ましたが、ぐるぐる感はありません。HELIOSのぐるぐるボケは、生かせる構図ならよいのですが、そうでない時に出ると邪魔なので、その点で7Artisansはユニバーサルに使いやすそうです。
撮影例
抜群な撮影例はウェブに沢山あるので、そちらをどうぞ。
自分は写真得意ではないので、大したものは載せられません。
人を選ぶとよく言われる、盛岡名物のじゃじゃ麺です。開放では被写界深度が薄すぎるので、F2ぐらいまで絞ると適度なボケになるようです。
選んでくれてありがとう……😇
HELIOSでは手元の料理を視野に入れるのが難しかったのですが、換算70mmならなんとかなります。あと、0.37m程度まで寄ってもピントが合わせられるので、それなりに自然な体勢で()撮影できます。
日中に撮影する場合、開放だとシャッター速度が追いつかなくて、飛びがちになりました。それはそれで、古い失敗写真みたいな雰囲気が出て、おもしろいものです。
もろに冬の太陽を入れてみても、よい感じに撮れました。以下、大学キャンパス内を散歩した時の写真です。
少し紫のフレアとゴーストが出ています。わざと飛ばし気味に撮影しました。
奥の方に、少し色が付いています。色収差により少しエッジが色づく傾向があるようです。これもレトロ感に生かせるかもしれません。
まとめ
総合的な感想としては、これはイケる(・∀・)といった感じです。
画角がほどほどに広く、手元でも合焦し、あまり苦労しない感じです。もちろん、普段広角ズームを使っている身には特訓が必要ですが。
NOKTONは重いし、何よりも、画づくりの難しさを感じました。被写界深度の薄さに感動するものの、よく狙って撮影しないと、のっぺりした味気ない画になってしまいます。自分の腕の無さとも言える? 一方、今回のレンズは、いい加減に扱ってもカリッとピントが合って、それなりにアートな感じの画が出てきます。
旅先のサブレンズにも使えそうなので、次の旅行と散歩が楽しみです。
(NOKTONもうまく使えるようになりたい……)
おわり