通電しっぱなしのサーバ用途のPCを更新するため、絶対的に性能が高い割に消費電力が小さいCPUということで、今ならRyzenしかない!と選んだのがAMD Ryzen 7 PRO 4750G。実は2年前にRyzen 5 2400Gを衝動買いしていたのですが、なんだかんだで組み立てる前に(笑)世代交代が進んでいました。
よく出回っているベンチマークの話はしません。自分が必要としている固有ベクトル・固有値計算が回ればOK。今回のサマリは以下のとおり。
- TDP 65Wと省電力なのに鬼のようなシングルスレッド性能の4750G。マルチスレッドでもよく回る。
- GIGABYTE B450 I AORUS PRO WIFIは5000シリーズまで行ける。B450のくせに。
- クーラーはよく選ぶべき。
- Mini-ITXは、ちっちゃくないよ!(実際大きい)
- SilverStone SST-SG13B-Cは、まぁまぁ使える。
Ryzen 7 PRO 4750G
それで、その4750Gですが、BOX品ではなくて、トレイで出回っています。店によっては、マザーボードとセットでないと販売しないとか寝ぼけたところもありますが、流通上そんな制約はないようで、単体で買える店は簡単に見つかります。ドスパラの店頭で買いました。
マザーボードはB550?B450?
省スペースで行きたいので、最初はASRock DeskMini X300も眺めていました。

ASRock AMD X300搭載 ベアボーンPC AMD Ryzen 4000シリーズ正式対応 DeskMini X300/B/BB/BOX/JP
- 発売日: 2020/10/09
- メディア: Personal Computers
ちっちゃくて、いい感じなのですが、メモリがSO-DIMMになるのと、冷却の不安が少し。あと、今回はHDDもつなぐサーバ用途なので、見送りました。自宅用にも考えたのですが、もっと電力の小さいASUS PN50にしてしまったというのは内緒。
手元にPhenom II X4 910eで組んだMini-ITX機があるので、ガワを流用できるかと思ってMini-ITXのマザーボードを色々と眺めていたら、B450、B550ともそれなりの値段がする……。運よく出会った中古品がこのモデル。
![GIGABYTE B450 I AORUS PRO WIFI Mini-ITX ゲーミングマザーボード [AMD B450チップセット搭載] MB4535 GIGABYTE B450 I AORUS PRO WIFI Mini-ITX ゲーミングマザーボード [AMD B450チップセット搭載] MB4535](https://m.media-amazon.com/images/I/51RTIU6haeL.jpg)
GIGABYTE B450 I AORUS PRO WIFI Mini-ITX ゲーミングマザーボード [AMD B450チップセット搭載] MB4535
- 発売日: 2018/08/25
- メディア: Personal Computers
GIGABYTE B450 I AORUS PRO WIFIです。
普通、B450ではRyzen 5000シリーズに非対応で、B550だと今度は2000シリーズが落ちるという具合の製品ラインナップなのですが、このモデルはなんと「Athlon 200GEから5950Xまで行けてしまう」という神仕様。色々と遊べそうです。もちろんB550の製品群と比べたらPCIeやWi-Fi、Ethernet周りは弱いですが、どうせMini-ITXで拡張性低いので、がんばらない。
仮組み、そして熱ダレ……
手元にあったケース、KEIAN KT-CUBE-ITX01に、とりあえず収めてみます。クーラーは同じTDP 65Wの910eから奪ってきたものを装着。
BIOS POSTでコケる_(゚。3」∠)_
どうやらBIOSのバージョンが4750G対応のF60まで上がっていないらしい。2400Gを手元に残しておいて助かった……。
気を取り直して、ケースのカバーを開けたままで、いざベンチマーク開始!
結果は前の記事に書きました。シングルスレッドでは、3950Xと同程度という、鬼CPUでした。4並列にしてもそれほど性能は落ちない。
ところが、カバーを閉じてみたら、まさかの熱ダレ……_(゚。3」∠)_
シングルスレッドでは大丈夫そうでしたが、4パラにしたら4.4GHzほどだったクロック周波数がみるみる下がって3.0GHz付近に。これはまずいですよ。
今どきのCPUは、温度に応じてこまめに周波数スケーリングが働くので、焼き鳥(死語)になる前に性能低下となって現れます。おもしろいです。Linuxだと、grep MHz /proc/cpuinfo | sort -rn とかで観察できます。
910eのクーラーはヒートシンクがアルミ製だったので、もしやと思って銅製のクーラーに交換してみたら、きちんと性能が出るようになりました。こんなこともあろうかと残しておいたOpteron 180マシン、ドナーになってくれてありがとう🙏
クーラーはよく選ぶべきです。でないと、気付かないうちに性能が落ちていたりして、もったいない。
ケースを交換してみる
さて、これで万事解決かと思いきや……、負荷をかけると微妙にうるさい_('、3」∠)_ KEIANのケースに付属してた電源も質があまりよくないのですが、どうもCPUの排熱がうまくいっていない予感。
格安に上げる予定だったところ、これでは気が散って仕方ないので、ケースを変えるという作戦に出てみる。Mini-ITXのケース、小さいくせに結構お高いんですね……。
安めで、Mini-ITXの貴重な1スロットを潰さないケースを探して、行き着いたのがこれ、SilverStone SST-SG13B-C。

SilverStone (シルバーストーン) Sugo シリーズ キューブ型 ケース ATX電源 対応 Mini-ITXケース SST-SG13B-C
- 発売日: 2020/08/25
- メディア: Personal Computers
USB-C端子が付いているのですが、マザーボード側が非対応なのが残念。
このケース、拡張スロットの穴が二つあって、2スロット厚のGPUも挿せるようです。あと、電源がSFXではなく通常のATXなところもおいしい。
さて、手際よく()マザーボードを移植して……、ぇ、クーラーがPSに干渉する;;
選択肢は二つ。
- 前のケースに戻して、静かでファンの強そうなSFX電源に交換してみる。
- 高さの低いクーラーに交換する。
- 前のケースに戻して、カバーを開けたまま運用する。
(アレ?)
とりあえずヨドバシで薄型クーラーを適当に見繕ってきて、取り付けてみたの図。
狭い!
一応、6cm程度の隙間はありますが、4cmのものを取り付けてこれ。空気の流れが心配です。
ちなみにこのクーラー(IS-40X)、ちょっと失敗でした。マザーボードの裏からとめる化石時代のタイプだったのでゲンナリ。まだそんな製品が存在していたんですね。せっかく組付けたマザーボードを泣きながら外して、付け直す羽目になりました。
古い電源ユニットを流用したので、ケーブルがめっさ邪魔です。
これでカバーを閉じて、yes >/dev/null & を8個走らせてみましたが()、4.2GHz程度で安定しているので、大丈夫でしょう。
以前のKEIANと比べると、横幅が2cmほど広いです。奥行はKEIANの方が曖昧3cm長い。
小さい印象のあるMini-ITXですが、箱に詰めてみると、意外に小さくないです。むしろ最近のメーカー製PCの方がずっと小さい。
このケース、ちょっとヤワな感じで、ネジ山を潰しがちなので注意が必要です。パンチングメタルだらけなので、真空管アンプみたいにも見えます。Connection Machineみたいにするのも楽しそうです。
おわり