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プログラミングにはUSB DACで良い音のBGMを♪ - TEAC UD-301とUD-505 -

本稿のポイント

  • TEAC UD-301は、プログラミング等の作業用のBGM環境で音質を改善したい人にお奨めの、デスクトップUSB DAC + 良質のヘッドホンアンプ。
  • UD-301の音は、適度にまとまっていて、コンパクトな外観にしては低域もしっかりしているぶん、BGM的に聞き流すにはむしろ好都合。
  • TEAC UD-505は、さすがに上位機種だけあって格段に解像度が高く、リアルさが出る。スピーカーよりもヘッドホンをよく使う人には絶好のUSB DAC + ヘッドホンアンプ。
  • UD-505の音は、繊細さを重視してチューニングされているせいか、UD-301よりも大きくガッチリしたボディの印象とは反対に、少し音が細く感じられる。じっくり聞きこみたい人向け。BGM用途には、組み合わせる機器を選ぶのが吉。

NO MUSIC, NO WORK.

プログラミング中に、あるいは仕事中に、音楽が手放せない人は少なくないと思います。うちの研究室でも、学生さんの多くは、ヘッドホンやイヤホンをかけて作業していることが多いです。周囲の音が気になるとか、あまり話しかけられたくないということも、あるのかもしれません。

自分の場合、作文中は、ボーカル入りの音楽は思考の邪魔になるので無理ですが、プログラミング中は不思議と気にならないどころか、むしろノリノリで作業できたりします。脳ミソの使う部分が直交しているんですかね、これ?

BGMとは言え、やはり良い音で聞きたいので、CD-ROMドライブのヘッドホン端子 (昔は付いていたんです!) では不満で、仕事場にミニコンポを持ち込んだりしていました。そのうち、手頃な価格帯のCDプレーヤーが軒並み1bit DACになってしまい、その細い音に慣れずに、マルチビットDACにこだわるという沼へ……。

CDプレーヤーを探しながら、ヘッドホン用のアンプも色々と検討し、10年ほど前にはESOTERIC X-25にAccuphase C-2110、そしてULTRASONE Edition 8という組み合わせに落ち着いていました。えぇ、デカいです!重いです!

C-2110にしたのは、よいプリアンプも押さえておきたかったこと、VR位置による音質変化がないというAAVAが気になったこと、そしてここが重要、音質重視のヘッドホンアンプが搭載されていたことでした。プリアンプ内蔵のヘッドホン端子は、大抵はOPアンプによるおまけのようなものが相場です。前段はOPアンプが使われているのに、電力増幅段がディスクリートなだけで、随分と印象が違います。

あー、すみません、前置きが長かったですね。

 

TEAC UD-301

いつまでもCDの音源ばかりではないのと、虎の子のX-25の軸受けがヘタってきたので、次をどうしようかというところで、思い切ってUSB DACにしてみました。あまり吟味しないで、入門用に買ってみたのが、TEAC UD-301でした。CDDA (つまり44.1kHz 16bit 2ch) のrawのままCDからPCに取り込んで、UD-301に流し込んでみたら、これが予想外に結構いける。中高域が少し引っ込みがちなEdition 8でも、カチカチした音がしっかり聞こえる。高域の伸びに若干不足を感じるものの、無理やり伸ばしたみたいなノイジーな音がしないので、むしろ安心して聞いていられます

TEACの音作りなのか、中域のキラキラはあまり期待できませんが、ここがヘタに頑張ると耳障りになることもあるので、むしろBGM向きで良い感じです。小さいながらも、低音も結構踏ん張ります。ヘッドホンアンプ部は残念ながらOPアンプですが、このサイズと価格帯なら仕方ないでしょう。ちなみに、CDDAなら、付帯音が少なく滑らかな4x Fsアップコンバートが推奨です。

なお、女性Jポップ、アニソン、サントラ、洋楽だとPET SHOP BOYSを中心に聞いています。クラシックも聞きますが、いくら楽器で評価が高くても、ボーカルが不自然になるような機材は苦手です。

というわけで、それほど高くもないし、作業BGM用で、PCの音声出力やポータブルオーディオでは不満という人には、お奨めのモデルです。残念ながら、生産完了になってしまいましたが。

 

TEAC UD-505

予想外に良かったのでしばらく気に入って使っていたUD-301ですが、上位機種がある以上、どうしても気になってしまいます。UD-301では、音が少し詰まり気味なのではないかと感じることがあり、上位機種ならもしかして、という気持ちがありました。かといって、UD-503は高いし……うーん_('、3」∠)_

あと、正直言うと、やはりX-25の方がまだキラキラした音が出ていたのですよね。

UD-501の中古品も時々見かけたのですが、こちらはアナログライン入力がなく、ヘッドホンアンプとして使いたかった自分は安くてもスルー。

UD-503も少しずつ値下げされてきて、そろそろかなと思っていたところで、UD-505が登場しました。これでUD-503も買いやすくなるかな?

ここで、人生を変える決定的な違いに気づくのです()。UD-505には、新しいデータ転送方式「Bulk Pet」が搭載されていました。説明にある「パソコンの負荷状態が変わることで音質も変化する……」にはちょっと疑問符ですが、「音途切れなどの問題が発生する可能性がありましたが……」の方は、私、気になります!

というのも、UD-301を使っていて、ほとんど問題は無かったとはいえ、ごくたまに、本当に忘れた頃になのですが、音が一瞬途切れることがありました。これはなかなか興醒めなことです。もし新方式でこのあたりが改善されるなら……という期待が生まれてしまったので、どうせ高い買い物ならUD-505にしようと、80%ほど決心したのです。

折しも、新型コロナウイルス感染症対策の外出自粛下で、色々と欲求が不満しているなかで、めずらしく中古品が出ているのを見つけてしまい、めでたくお迎えすることになりました。

UD-301から切り替えて、最初に音出しをした時の感想は……「???」

UD-301よりも大きく、重く、しっかりしたボディなので、ずっと力強い音が出るのではないかと、誤った方向に期待が膨らみすぎていたようです。

さて、2か月ほど鳴らしてみて、時々UD-301に戻してみての感想は、UD-505の音はちょっと線が細いかなといったところです。繊細さを重視してチューニングされているせいでしょうか。上級機らしく、解像度はずっと高くて、音が団子にならずに綺麗に分離されるところはさすがです。それで、遠慮せずに高域を伸ばしたということでしょうか。

情報量が増えたせいか、聞きこもうとすると、細かい音までよく聞こえることが分かります。反対に、BGM用にズボラに聞こうとすると、音が不必要に遠ざかったり近づいたりするような、ちょっと鬱陶しい感覚がありました。バランスがもう少し低域寄りのヘッドホンがうまくマッチングするかもしれません。好みのレベルですが。

というわけで、冒頭のポイントに書いたとおり、がんばらないでそこそこ良い音をBGM的に流したいのであれば、UD-301はちょうどよいでしょう。もし解像度に不満があるなら、しぬきでUD-505に投資し、用途に合うヘッドホンを探すのが良いと思います。

(音途切れについて、Bulk Petの効果はまだ分かっていません。Isochronous転送より音質は滑らかになるようです)

 

ティアック デュアルモノーラルUSB-DAC Reference UD-301-SP (シルバー) UD-301-SP/S
 

 

 

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