新型コロナウイルス感染症のために、オンライン授業の受講を余儀なくされている人も多いと思います。あれ、学生さん生徒さんにはつらいでしょうが、授業の準備をする教員も、システムを作る職員も、死ぬほど大変なんですよ_(゚。3」∠)_
ところで、自宅の無線LANや、場合によっては最寄り店舗のフリーWi-Fi、うまく使えていますか?無線LANが突然切れたり、反応しなくなったり、音声が途切れたり、映像がカクカクしたりといったことはありませんか?
もしかして、それ、無線LANに干渉する何かがそばにあるかも。以下のことをチェックしてみましょう。
(もちろん有線の方が安定するので、自宅などで有線接続ができる場合は、なるべくそちらを使いましょう。分からなかったら無理しないで)
無線LANに干渉するもの
無線LANには、大まかに、2.4GHz帯の電波と5GHz帯を使う二種類があります。それぞれに、以下のようなモノが電波干渉を引き起こし、無線LANのトラブルにつながります。
2.4GHz帯
- Bluetooth機器
- USB3.x機器 (3.0, 3.1, 3.2を含めて3.xと書きます)
- 電子レンジ
5GHz帯
- 気象レーダー、航空レーダー等
無線LANと一緒に使わない方がよいもの
Bluetooth機器
無線LANの調子が悪いとき、Bluetoothで接続するキーボードやマウス、イヤホン、ヘッドホンなどを使っていませんか?Bluetoothは無線LANと同じ2.4GHz帯を使うため、干渉することがあります。できるだけ有線接続のものを使いましょう。
もしどうしても一緒に使わなければならないときは、無線LANで5GHz帯だけを使うようにするのも一手です。しかし、5GHz帯には、後に述べるようにレーダーが干渉する問題があります。
小中高でタブレット端末を導入することがあるのですが、Bluetoothのキーボードが無線LANと干渉する問題があり、有線接続のものを用意したり、タブレットではなくキーボード付きの端末を調達することがあります。学校関係者はご注意を。
USB3.xの外付け機器
USB3.x対応の外付けハードディスクやSSD、USBメモリなどを使っていませんか?USB3.xは2.4GHz帯に干渉することがあります。
もしどうしても一緒に使いたい場合は、シールド効果の高いUSB3.xケーブルに交換してみる、無線LANを5GHz帯に限定するなどの対策を試してみましょう。
電子レンジ
こいつは凶悪です。日本の電子レンジでは、加熱するのに2450MHzのマイクロ波を使います。これが、わずかですが漏れ出しています。同じ部屋で電子レンジを使うと、2.4GHz帯の無線LANや、Bluetooth機器が軒並み使い物にならなくなったりします(機種による)。電子レンジ側では対策のしようがないので、使わないようにするか、5GHz帯の無線LANを使うようにするしかありません。
なんでこんなものが無線LANと干渉するところに居るのかというと、実は話が逆で、電子レンジが先にあって、この周波数帯が汚染されて使いにくくなったので、無線免許不要で使えるように他の機材で使えるようにしたということです。2.4GHz帯周辺は、ISMバンド (産業科学医療用バンド) と呼ばれています。
5GHz帯利用における注意点
2.4GHz帯には干渉する機材が沢山あります。そこで、5GHz帯の無線LANを使うように薦めることも多いのですが、いくつか注意点があります。
まず、5GHz帯の電波は、2.4GHz帯と比べて障害物に弱く、到達距離が短いという性質があります。周波数が高くなるにつれて、光に似た性質が強くなってきます。従って、無線LANアクセスポイントに見通しがよく、距離の短いところで使うのがコツです。
次に、5GHz帯は、ごくたまにですが、突然接続が切れてSSIDすら見えなくなることがある点に注意が必要です。5GHz帯は気象レーダーや航空レーダーでも使用されており、もし近くでレーダーが利用され、無線LANで使用しているチャネルとぶつかってしまった場合、アクセスポイントは即座に電波を停止して、別のチャネルに移動する必要があります。DFS (Dynamic Frequency Selection)と呼ばれている機能で、利用者がオフにすることはできません。
自宅のアクセスポイントは電波を弱くして使うもの
[スキルのある人向け / 分からなかったらいじらないほうが無難]
意外に思われるかもしれませんが、集合住宅に住んでいる人は特に注意すべき点です。Wifi Analyzerのようなアプリで見ると、お隣さんから、無線LANの強力な電波が飛び込んでいたりしませんか?同じことがあちらでも起きているということです。ハイパワーをうたう製品が巷にあふれてしまい、お互いに電波干渉で潰しあう結果になったのです。
自宅の無線LANルーターの設定に、電波強度の設定があるはずです。回線が混雑していない早朝などに
https://www.speedtest.net/
や
https://fast.com/
などで速度を測定し、影響しない程度まで無線LANの強度を下げるとよいでしょう。自宅でネットワークストレージ(NAS)やVRゴーグルなどを使っている場合は、それに必要な速度に合わせましょう。
お隣さんが、理解ある知り合いだといいですね。出力を下げてもらえるかもしれません。
モバイルルーターやスマートフォンのテザリングはなるべく有線接続で使う
モバイルルーター(ポケットWi-Fiなどとも呼ばれる)や、iPhone/Androidのテザリングを利用する場合、無線LANよりは有線接続の方が安定します。これらの機材にUSB端子がある場合、PCにUSBケーブルで接続すると、有線でネットワークが接続できることがあります。これなら、Bluetoothの機器を併用しても大丈夫でしょう。
テザリングでPCを使う場合、データ転送量に十分注意しましょう。PCは一般に通信量が大きいため、データ通信料が高額になりやすいです。
おわり
P.S.
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